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8/4(日)。花月の浴衣と羽織。
荷物をまとめて出かける用意を済ませておきます。花月は松本駅から少し離れているので、荷物は駅のロッカーに預けておく事にしました。
今日はホテルのモーニングをいただきます。館内のレストラン寿城が会場です。
和食と洋食を選べたのでひとつずつお願いしていました。私は珍しく洋食です。
夫は和食、あたたかい蕎麦付きです。和食の方が多そうだったので夫に食べてもらったのです。
和も洋も少しずつ分けたりしておいしくいただきました。
そうそう…旅の初日に買ったご当地フォルムカード。駅までの道にある松本郵便局で風景印を押してもらいました。松本城、松本てまり、北アルプス槍ケ岳。
レディス・パブ「ファンタジー」、蕎麦屋「弁天本店」の七夕人形。
くねくねと街を散策をしながら駅に向かいます。
夜中に眠れず目撃情報をチェックしていて、本当かわからないけれど綾野剛さん達がいたとされる店の前を通りました。今はどこにいるのだろう…。
荷物をロッカーに入れ、目的地に向かうバスに乗ります。「松本市美術館」へ。草間彌生×タウンスニーカー”クサマバス 水玉乱舞号”。世界にひとつです。
ナンバーは”841(やよい)”!
2010年12月1日の出発式の時に草間彌生さんがサインをされたそうです。
車内にも水玉の広告があちこちに。窓ガラスも水玉が写っていてかわいいです。
美術館行きのバスは他にもあるけれど、タイミング良くこのバスに乗れました。
14分ほど乗車して松本市美術館に到着しました。駅からでしたら徒歩の方が早く着くのですが、松本の街を遠回りで走るバスも楽しいのです。
美術館の前には”幻の華”。建物に”TOKO-TON”。そして通路にある”水玉強迫”。
通路には水玉のベンチやゴミ箱もあり、バックも水玉。座って撮影し合いました。
常設展示の「草間彌生 魂のおきどころ」を堪能しました。
館内は撮影ができないので看板を撮ったものとチケットの半券を。常設展示は年に何回か入れ替えをされているそうで、近ければ定期的に来たいものです。
美術館を後にし、昼食を食べる店までうろうろと散歩をしながら向かいました。
朝顔がきれいなお家。素敵な建物、かわかみ建築設計室はもともと松岡医院でした。
女鳥羽川沿いにある蔦が絡まる建物はよく見たら「黒猫チャイ」というカフェでした。
”猫”、そして”チャイ”が気になりましたが2014年7月に閉められたそうです。
昼食は昔から何度も来ている「デリー」へ。私はいつもポークカレー、夫は昨夜につづきカツカレー。初めて来た時は「デリー」という店名からさらっとしたインド風のカレーを想像したのですが、昔ながらの好みのカレーだったので通うようになりました。また、店主のお父様は染色家の三代澤本寿さん。包装紙やマッチも本寿さんのデザインです。
昭和45年創業の「デリー」はこのpetit voyage更新年の7月に閉店されました。「たくま」に続き、さびしいニュースでした。
食事をしていると背後でサッカーの話をしている人が。耳をすまして聞いてみると、一昨日のメモリアルマッチにも行っていた様子。会計をして店を出る時にちらっと見てみたら、ライターの宇都宮徹壱さんでした。昨夜、会い損ねたけれどここで会うなんて(でも声はかけません)。
「デリー」から「珈琲まるも」に移動。カレーの後のコーヒー、お気に入りのコースです。
旅館には過去に宿泊した事があり、低価格で泊まれてありがたかったです。そして朝食もおいしい。こちらの「珈琲まるも」は旅館の一部なのです。
松本民芸家具の創立者、池田三四郎さんによって1956年に建てられた喫茶店。店内の至るところに松本民芸家具。
コーヒーと、りんごのタルトは分けました。
開店時をご覧になった柳宗悦さんが絶賛されたことでも有名。が…私が初めてこちらに来たのは池波正太郎さんの著書がきっかけでした。
まったりとくつろいでいると聞き覚えのある声がそばに。ハッ、宇都宮徹壱さんご一行が同じコースで来られたようです。引っ込み思案な夫婦はやはり声をかけず、しばらくするとお店を後にしました。
次は「開運堂」へ。こちらも旅の定番。
ロボットが作る日替わりのソフトクリーム…ロボットの名前はナンチャン。フラミンゴかな?今日は白桃カルピス。
ガラスが光って仕事ぶりをうまく撮れませんでしたが、きれいに盛られて出て来ましたよ。
夫が食べましたが、私もひとくちいただきました。
「開運堂」でのお買い物は大抵いつも同じもの。…が、久しぶりに来てみたら”白鳥の湖”の包装紙が変わっていました。こちらもかわいいのはかわいいのですが…ショック。
以前のものは洋画家の木村忠太さんのドローイングでした。そして木村さんの画題「パリの五月」が開運堂の洋菓子部なのです。木村さんの画に出会って洋菓子も作るようになったのだとか。
中の箱は変わらず、地元の画家である柳沢健さんが描かれたパッケージで安曇野に集まる白鳥。お菓子はひとつひとつ丁寧に包まれたポルポローネ。白鳥の型押しがかわいらしいのです。
そしていつの間にかこんな商品ができていました。白鳥の湖のストラップです。お菓子をそのまま小さくした形。これは買わずにはいられませんね。
表、そして裏。
使うのはもったいなくて、時々手に取ってながめる、そんな小さいもののコレクションの一つとなりました。
あとはこれもいつも買うピケニケカステラ、初めて買ってみたどら焼。他にはおみやげにこまごまとバラ売りのお菓子を買いました。
高砂通りにある「人形の緑屋」の郵便受け。高砂通りは”木と人形のまち”。
こちらは七夕人形が現代風のシャツを着ていますよ。
食の予定をこなすため、次の目的地に向かいます。
きれいな水が流れる水路。
そして中町にある「ミドリ薬品」。建てられたのは昭和2年、当時流行した看板建築。
目的は「翁堂 蔵の店」でパンダケーキ(レモンチョコレート)。駅前店には無くこちらにはあったのです。やはりパンダは食べておきたい。
ミミーサブレも購入。
お茶とパンダケーキをいただいたら奥のギャラリーを案内していただいたので見学しました。二つある蔵の一つにはアンティークや絵画、器など社長のお気に入りが並んでいたり…(蔵の中は空調が無いので早足になってしまい残念)。
もうひとつの蔵には翁堂のお菓子作りの歴史がたくさん詰まっています。
暑さに強ければもっと長居して隅々まで見たかったです。
店を出たら風を感じて蘇りました。さらに飲食の予定をこなすため歩きます。
漬物専門店の「みづしろ」、「ぬのや旅館」。
い草商品を扱う「鍋屋商店」のマットは山雅!
染め物店を改装して作られた洋服店「Kurafu」で夫が購入したネペンテスの靴下。さっそく履きました。
ずっと行きたかった念願の「豆とコーヒー Laura」へ。お店のロゴが100%ORANGEさん。看板から始まり、ショップカードやコーヒー豆の袋にも100%ORANGEさん、絶対に寄らなければと決めていました。
カウンターとテーブル席があり、テーブル席に座りました。2010年に開店されたそうです。
絵本のようなメニュー。シティローストをいただきました。カップが色違いで出されて、こういうのもうれしい。コーヒー豆はお店で焙煎をされています。
居心地がよく、松本に住んだならばここで豆を買いに来られるのになあ、なんて妄想しながら過ごしました。こちらも松本の定番に加わりました。
通りかかった店にドラえもんとピカチュウの提灯。
高砂通り、中町通り、女鳥羽川沿いの好きな界隈からそろそろ離れましょう。
駅前の通りを出たら、ロイヤルオーディオ前にいるニッパーくん。
空には入道雲が発生しています。雨が降らなければいいけれど…。
2005年にオープンした「マサムラ」の本店。こちらには喫茶スペースもあります。一回の旅で二個は食べたいベビーシュー、喫茶続きですが食べておきましょう。
私が生まれる前、1966年から使われている包装紙。東郷青児さんによるものではなく、印刷会社の方のデザインだそうです。
松本の行きたいところはまだまだあるけれど、少し離れている場所が多く、今から動くと電車の時間に駅に戻れないだろうしなあ、どうしようか…とパルコブックセンターをのぞいたり、無印に行ったりという夕方。
夕飯は電車で食べようと思っていたのですが、せっかくなので松本駅の近くで食べて帰ろう!と決めました。
初めて来ました、「Au Crieur de Vin」。オープンテラスもありますが、涼しいほうがいいので中の席を選びました。1999年にフランスの本店からのれん分けして女鳥羽川沿いにオープンしたのだそう。こちらの場所には2008年に移転。
喫茶休憩が多かったから軽めに食べようと言っていたのに、メニューを見ているとあれもこれも食べたくなってしまうのです…。
パンと豚肉とレバーの田舎風パテ、ニース風サラダ、ステーキ フライドポテト…、そして旅の最後に久しぶりのアルコールを。赤ワインをグラスで頼みました。ワイン…やはりおいしいですね。今日は控えめに一杯だけ。
最後にコーヒーとプリンをいただきました。よく食べた一日。
店内にあった山雅の本を開くとマツの姿が。するとお店の方が声をかけてくださり、山雅の選手も時々お店に来るのだとか。遭遇してみたいなあ。
外は既に暗くなっています。駅に向かいましょう。
帰り際のマンホール、色違いバージョン。すぐにまた来たい街、帰りたくない!

改札内にあったアルクマ駅長ののぼり。
ホームで電車を待ちます。旅が終わるさびしさ、松本を離れるさびしさ。せめてもう一日いたかったなあ、なんて話しながら。
21時前に松本を出るしなのが到着。
楽しい三日間でした。そしてまた松本に住みたい熱が再びわいてくるのです。
…よく食べるなあ。
駅で買った野沢菜のおやき、二人で分けました。
そしてその後はともにうとうととし始め、夢の世界へ。
電車が停まっているのを感じ目が覚めました。どこの駅だろう?、と外を見たら森のような場所。ゆっくり動いたり停まったり、木曽福島ではしばらく停車していました。
アナウンスによると大雨で列車が遅れているとの事。名古屋で乗り換えて新幹線で京都に帰る予定でしたが、間に合いません。最終の新幹線も無理です。帰りたくないなぁ、なんて言っていたからバチが当たったのでしょうか。車内で一泊は健康面から考えると避けたい。
まったく動かない状態から徐行運転に。名古屋まで行けるという案内を聞いてからホテルを予約しました。
名古屋に着いたのは0:55。乗客の数名は毛布を受け取っていました。車内で泊まられるのでしょう。
私たちはホテルに向かいます。
コンビニで一泊分の着替えを買い、駅から近い「ダイワロイネットホテル 名古屋新幹線口」にチェックイン。一晩お世話になります。
思いがけず旅が続く…と前向きになりたいところですが、夫は仕事を休めないし、名古屋のホテル代まで使ってしまい私だけのほほんと名古屋を楽しむわけにはいきません。
さっさとお風呂を済ませ、数時間だけ眠りました。体力があれば車中泊もできただろうに、それを避けた分、しっかりと休んで眠らなければ…!
(2017.9.5 更新)

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