2016.9.22−24 北陸へ

この年は9月になって初めての旅。前の年にわりと遠征したから控えていたのかな?
夫が出張で度々富山に行っており、私は富山に行った事がなかったから行ってみよう。ついでに福井の気になるところにも行きたい。そしてどうせなら金沢にも少しだけ寄ろうか!…と二泊三日の旅が決まりました。

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9/22(木)。一日一便だけの大阪駅発のワイドビューひだ号は国鉄からJRになって最初につくられたディーゼル特急。見送った後に乗車するサンダーバードが到着。
8:10大阪駅発、朝ご飯はエキマルシェにある「パンデュース」でパンを買っておいたのと、家から持って来た赤紫蘇のおにぎりを少しずつ食べました。
今日の最終地は福井駅。でもまずは武生駅をめざします。
今回は”北陸乗り放題きっぷ”を利用、大阪発着で(この当時)15,560円で三日間乗り放題というお得なもの。
武生駅には9:57着。初めて下車する駅です。
駅のホームには天皇杯のポスターが。これ、福井の越前和紙を使っているのです。いいタイミングで来ました。
武生駅で下車した目的は「かこさとし ふるさと絵本館 石石(らく)」。駅からタクシーに乗って行きました。
越前市はかこさとしさんが生まれた町(お生まれになった時は”武生市”で市町村が合併して”越前市”が2005年に誕生)。2013年4月にこちらが開館して以来、こちら方面に来る機会があれば訪れたいと常々思っていたのです。
本の形をした石碑は”だるまちゃんとてんぐちゃん”の一ページ。
館内に入る前に広場を散策。かわいい遊具が色々とあるのです。
ラッピングカー”未来への行進号”。かこさとしさんが描きおろされた”未来への行進”が車の左右にラッピングされています。
車の後ろには”コウノトリ こうちゃん”の絵がラッピング。
タイヤ部分にはだるまちゃん、てんぐちゃん、かみなりちゃん。
大人でも遊んでみたい遊具の数々。だるまちゃんのすべり台、だるまちゃんとかみなりちゃん(二人乗り)やだるまこちゃん(一人乗り)との揺れるリンク遊具、ケンケンパの円(”だるまちゃんとかみなりちゃん”に登場する)。
絵本館の中に入ります。
入り口には”どろぼうがっこう”のくまさか先生と木彫りのだるまちゃん。
入ってすぐのところにはだるまちゃん、てんぐちゃん、かみなりちゃん、そして”祝 ご来観者 12万人達成”とかかれたボード。お月見のディスプレイも。
壁も楽しくて見入ってしまい、なかなか先に進めないでいます。絵本の中に入り込めたような気分になりました。
だるまちゃんの時計。
かわいいぬいぐるみも並べてあります。だるまちゃん、からすのパンやさんのおとうさんとおかあさん、かみなりちゃん。
”うつわのなかみはなんでしょう?”、取っ手を持ち上げてめくると、容器の中身が見えます。”おちゃ、おせきはん、おすいもの、シチュー”。
二階に行ってみます。二階は”もとのえをみるへや”。原画を見る事ができたり、かこさとしさんが越前市に住まれていた時代の写真や、生涯を知る事もできる見応えがある部屋。撮影はできないのでじっくりと見て過ごしました。
一階には5000冊の絵本や児童書が閲覧できる”えほんのへや”、本などを持ち込んで読む事ができたり、イベントが行われる”あそびのへや”があります。
「かこさとし ふるさと絵本館 石石(らく)」のパンフレットと「こおりやま文学の森資料館」での企画展のフライヤーをいただきました。
買い物をしたら入れてもらえる袋は”にんじんばたけのパピプペポ”から。
オリジナルシールとピンバッジは越前市の限定商品という事で購入。
購入したクリアファイルの片面はからすたち。もう片面には”かこさとしおはなしのほん”シリーズのキャラクターたちが五線譜の上で楽しそうにしています。
越前和紙の一筆箋も買いました。こちらは”春夏秋冬 植物編”。”あそびずかん”からの絵、一冊に四季が詰まっています。
12時、そろそろ駅に向かいます。曜日や時間によっては送迎バスがあるようなのですが、タイミングが合わず、タクシーを呼びました。待っている間に付近をうろうろ。
”しらんひとについていったら あかん!”とだるまちゃんの立て看板。
”たけふ菊人形”と刻まれた石。こちらでも秋頃に菊人形の行事があるようで、調べてみたら日本三大菊人形のひとつだとか。そのうちのひとつは馴染みのある”ひらかた大菊人形”。
見かけたマンホールは日野川ではねる鮎、越前富士と呼ばれる日野山が描かれた旧武生市のデザインで、旧市章バージョン。
タクシーから駅までの道で気になる光景が多々あったので(閉まっているシャッターに気になるイラストがたくさんあった)、次に来る時には時間に余裕を持って歩きたい。
武生駅から福井駅は13分ほど。車窓からは金沢に行く際に何度も目にしている
”SABAE”の看板。福井駅のコンコースには高橋節郎さんの陶板レリーフ”越前幸幸”。
福井県の恐竜ブランドキャラクター、”ジュラチック”だそう。それぞれに名前があり、顔ハメパネルで仲間になれる風だけど中に入れなくなっている。
サンダーバードのイラストでの乗車記念の顔ハメパネル、”ダイノベンチ”と呼ばれているベンチにはリアルな顔立ちの恐竜人、ダイノサウロイド。白衣を着た恐竜博士。
今回は「福井県立恐竜博物館」には行かないけれど、駅周辺で楽しませてもらえました。
駅前の恐竜広場には実際に白亜紀前期に福井にいたフクイラプトル、フクイサウルス、フクイティタンの三体が。手前にはジュラチックの三人も。
恐竜の足跡の化石の複製が設置してあります。左からアンキロサウルス類、獣脚類(フクイラプトルの仲間)、鳥脚類(フクイサウルス・コシサウウスの仲間)。
まずは今夜の宿泊するホテル「城町アネックス」に荷物を預けに行きます。駅から徒歩で10分かからない距離、素敵な建物が前方に見えてきました。
フロントで手続きをし、福井の町に出かけます。子供の頃に福井の海には行った事があるのですけど(高浜の海水浴場)、福井市内は初めて。
福井鉄道880形。路面電車が走っているのを見るのは福井に来た楽しみのひとつ。
NHK福井に掛かっているのは「ニュースザウルスふくい」の広告。
マンホールは不死鳥。
「福井地方裁判所」は空襲や地震、火災で焼失したものの福井復興のシンボルとして1954年に竣工。福井は不死鳥のごとく復興したのです。
居酒屋さんの一周年祝の花輪が花というか花の型が浮き出たプラスチック製のものだったが賑やか。
たぬきのイラストの看板が気になる焼肉屋さん。
福井市での初めての食事は憧れだった「ヨーロッパ軒 総本店」へ。少し外で並びながら”ひとりごと”を読みました。『ソースが違う、パン粉が違う、ご飯がうまい』。
たくさんあるメニューに悩み、夜にたくさん食べられるよう控えめにレディースセットを。ミックスカツ丼(カツ1、エビ1、ご飯小盛)、サラダ、味噌汁という内容。
それでもちょっと多くて夫に手伝ってもらったというのに、その夫はどーんと3種盛スペシャルカツ丼(トンカツ、エビフライ、メンチカツ)。
席の横に飾ってあるサインは気になる人がたくさん。大泉洋さんと戸次重幸さん、渡辺徹さんと榊原郁恵さんは別々の日に来ているのに横並びに飾られていたり、ユニコーン、タモリさん、さだまさしさん、TBSの安住アナとNTVの藤井アナが並んでいたり、小林麻央さんのサインには”早く元気になってね”とお店からのメッセージが貼られていたりも。温かい気持ちになったのと、ジャンル別に並べてらっしゃるのとかいい店だなあと思いました。
お店のマークが”牛”な理由は、創業当時(大正初期)のカツは牛肉だったとの事。その頃は豚肉を食べる習慣が日本には無く、牛カツから始まったからなのだそう。
食後のコーヒーはすぐ近くの「カファブンナ」へ。
看板の字体やコーヒー豆の絵が描かれているのや新しめの店なのだろうかと思いつつ入ってみたら…
近所の方が集まる昔ながらの喫茶店で居心地がよかったです。モーニングはいつでも食べられたり、持ち込みや出前もOK。コーヒーを頼んだら小皿にこつぶっこ。
店に貼られているメニューは手書きだけど、席に置いてあるメニューはパソコンで作られたもの。そのメニューに猫のイラストが。マッチにもなっていました。
表裏で少し違うデザインなのもうれしい。
拍車付きブーツに入った猫、どういう意味があるのだろう。勇気が無いのでお店の方に聞けずじまいでした。
散歩しながら駅のほうに戻って行く途中にあったかわいいタイル。窓から顔を出している女の子、黒猫。
足羽川沿いを歩いていると前方に黒猫を発見。じわじわと近付いて行くけれど逃げる様子が無い。近くには料亭があったりするのでご飯をもらったりしているのかな?
かなり人懐っこい。私たちの住まい付近でも人に慣れている黒猫がいるので他人(人じゃないけど)に思えなくて傘に入れながらしばらく遊びました。
あっ、735形!
これはドイツシュツットガルトを走っていた車両で、2014年1月までは高知の土佐電鉄で運転されていたそうです。
735形は”レトラム”と名付けられており、”レトロ”と”FUKURAM・フクラム(2013年に導入された次世代型低床車両、F1000形の愛称)”のラムを組み合わせた造語で、冷暖房が無いので春と秋の土日祝だけの運転です。
この和と洋が組み合わさった建物はなんだろう?と気になったのは「福井市グリフィス記念館」。明治初期に福井藩の教師だったアメリカ人のウィリアム・エリオット・グリフィスの邸宅だった洋館を福井市が復元した建物。グリフィスと福井の関係を中心とした展示などが見られるようです。
字体がかわいい「ハギレヤ」、洋服や生地、手芸用品などが売られているお店。
サトコちゃんムーバー。洋服を着せてもらっている。
880形に乗って中心から少し移動をしてみます。
行き先駅までの特別補充券。切符ではない、こういうのを手にするとうれしくて記念撮影。
車内に入ってさらにテンションがあがる私。プラスチック成形のものに一人分ずつの背ずりと座布団が。そして連結部分の鍵穴型がたまりません。
正面から見た座席。床は中央にモザイク柄を配しています。
車窓からKONCOSの太一くんが行っていた「今川焼本舗」が見えた!カレー焼!
17分ほどで赤十字前駅に到着。こちらの駅がこの名称になったのは2010年で、もともとは福井市駅だったのだとか。昭和初期に移設により福井新駅となった事も。
住宅地を通り抜けて「talklein」という店へ。ドイツでデザイナーをされていた店主夫婦が営む洋服やアクセサリー、アートなどが並ぶかっこいい店。
「talklein」では目で堪能するのみだったけれどいいものがたくさんでいい時間でした。この近くのカフェにも寄りたかったけれど今日は祝日で休み、明日にまたリベンジで来るつもりですが「talklein」は開店時間が遅めなので明日は寄れないし、今日のうちに路面電車に乗りがてら来てみました。
帰りは800形。現在は廃車となっているタイプ。
福井駅前に戻ったのは16時半頃。
「高橋歯科」のカバの看板。
「ヤマシタカメラ」のカメラの立体的な看板は時計にもなっている。
福井に来たら絶対に寄りたかった「王朝喫茶 寛山」。1974年に現在のマスターのご両親が始められました。
このpetit voyageを作り始めて「あぁ、また福井のこの喫茶店に行きたいなあ」と考えていて、数日後に閉店のお知らせを目にしたショックと言ったら…駅西口の再開発に伴い、2020年8月28日に閉店される事になりました。
階段を降りたところにはボッティチェリの名画”春”のレリーフ。
店内に立ててあるアクリル板のメニュー。トイレに行きがてらあちこちチェック。
持って来ていただいたメニューは木製で重みがあります。
夫は寛山特製ブレンド、私はミックスジュース。フードメニューも多々あるけれど夕飯に備えて我慢。
マスターのご両親が開店前に東京や大阪の喫茶店を巡ったり、鳥取の温泉の大浴場を参考に”王朝”をテーマに内装にこだわって作られた店内。壁画やステンドグラスにも見入ってしまいます。
開店当初は閉店時間までお客さんが並んでいたそう。80席余りの広い店内が満席になるだなんてすごかったのですね。
雨がひどくなってきました。駅のバスターミナルから”コミュニティバスすまいる”で移動します。
”すまいる”だけに座席には笑っている顔が。
目的地は「BENTO」…と言ってもお弁当屋さんではなく、”お弁当の中身のようなワクワクする店”との事。日常で使える道具や器、食のもの、YAECAのものなどが並んでいます。
購入したのは「IFNi ROASTING & CO.」のドリップバッグ、「JIN」ののらたまごマヨネーズ、福井の焼き菓子屋さん「やつどき」のレモンケーキを購入。
「BENTO」を出る頃には雨はあがり、夕飯の店まで歩いて向かう途中にある呉服町商店街、看板のイラストに反応してしまい思わず撮影。
10分ほどで「治郎吉 片町店」に到着。食の好みで信頼している方の投稿でチェックしていました。
まだ18時、お客さんはそんなにいない時間帯のようです。
とにかく安くてびっくり!よく歩いたしお腹は空かせているしまだ早い時間。たくさん食べようと気合いを入れる二人。
まずは瓶ビールを頼み、串盛りを注文。純けい、若どりネギマ、スナギモ、タン、イカが二本ずつで600円。
他にもナスの天ぷらや、一皿五本の串焼を注文。このお店はホルモンがおいしいとの事だけど、食べられなくて残念(好き嫌いで…)。
途中からは日本酒を。一本義という福井のお酒。
ビールでなく日本酒はゆっくりと飲むし、焼き鳥も頼んでから焼いてもらうので時間がかかるしで少しずつ満腹に。
焼うどん、そして一皿二本のせせりを。
前半は串カツやチーズ春巻を頼む案や、串盛りをもう一回とか言っていたけれど勢いは無くなっています。
〆にさっぱりときゅうり。安くておいしくていいお店でした。
ホテルまでは歩いて戻ります。途中にあった理容店の看板の絵がかわいい。
「城町アネックス」は1948年に福井駅前に「丸ノ内ホテル」として誕生、1984年に現在の福井城お堀端に移転し「アネックスホテル福井」に。
そして2015年に屋号が「城町アネックス」となりました。
部屋の中はごく普通のホテルのように見えて家族経営ならではの行き届いた心地よさ。
Provinsciaのバスアイテムが。香りがとても気に入ったので大阪に戻ったら買おうとメモ。旅にはAēsopでもらったサンプルを持参。いい香りのものだらけの旅。
ホテルのリーフレットや、併設されているレストラン「二ノ丸グリル」のコースターとカードなど。リーフレットをカットした部分がホテルのカードになっているのは素敵。
そして「アネックスホテル福井」時代のマッチ。三角屋根で赤レンガのホテルがイラストになっています。
以前からのものとお父様の跡を継いだ現オーナーになってからの新しくなったものとがうまく組み合わさったホテル。初めての福井市の旅がホテルによってさらに思い出深いものになりました。
(2020.9.11 更新)

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