2015.12.3−4 長崎へ

ひとつ前の旅、札幌に行っている時には長崎の事を考えており、大阪に戻ってすぐにホテルや新幹線の手続きを済ませていました。
「長崎県美術館」で開催されているmina perhonenの展示が12/6までで、長崎にもゆっくりと行ってみたいという理由から決行しました。
北のほうから南のほうまで、激しい2015年です。

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12/3(木)。旅の始まりはだしまき弁当で…はい、新幹線でスタートです。飛行機がやはり苦手なのでまずは7:59発ののぞみ97号で博多駅まで行きます。
博多駅に10:28着、10:55発のかもめ17号に乗り換えます。
885系の白いかもめ、九州には何度も来ているけれど乗るのは初めてでうれしい。
普通車だというのに本革張りで高級感があるシート、不評らしいけど私はうれしかったなあ。チケットホルダーに乗車券を入れると忘れがちなので一人の時には使用しません。高速でカーブを通過できる振り子式車両を採用しているため揺れがけっこうありましたが、列車で長崎に来たのは初めてという楽しみが強く平気でした。
12:49長崎駅着。博多駅ではトイレに行ったりで乗り換えで慌ただしかったので長崎に着いてから車体を撮影。約5時間ほどの列車の旅…疲れました。

ホテルは駅からすぐの「JR九州ホテル長崎」。
荷物をフロントに預けようと思ったら部屋に入れるとの事。窓からの景色がけっこうよくて満足。海も少し見えるのです。
長崎に親戚がいたので何度か行っていたのですが、中心地ではなく佐賀寄りの長崎。
そんなわけで長崎の色々な店がある界隈は今回が初めて。長崎電機軌道株式会社の路面電車に乗るのも楽しみの一つです。この年が開業100周年、503号車の100周年記念ラッピング。
長崎に行ける日が来れば行こうとチェックしていた「眼銀珈琲店」、この年の一年前に閉店されました(エドツワキさんが店名を付けられたそう)。
調べてみると「眼銀珈琲店」の後に入られたお店「からすみ茶屋なつくら」も魅力的だったのでお昼ご飯を食べに来ました。ちょっと遅めの14時。
メニューのイラストがまた良いな!頼んだのは生からすみごはんとだしまき卵。イラストレーターの坂本奈津子さんのお店なので納得のメニューです。
長崎で最初の食事がとてもおいしくてうれしくなりました。良いスタート。
時間があればコーヒーやレモンケーキなどもいただきたかったです。
宮内庁にからすみを納めている「松庫(まつくら)商店」の生からすみが食べられる「からすみ茶屋まつくら」が前の年まであったのですが閉店。それを継ぐような形でこの年の6月に「からすみ茶屋なつくら」が開店。「眼銀珈琲店」の跡地で「からすみ茶屋まつくら」を引き継ぎ…つながりって素敵。
いただいた「カメラのフォーカス」のフリーペーパー、”写真便り”。こちらも坂本さん作で愛情がこもっているんです。主にお店のお知らせが書かれています。
坂本さんは「カメラのフォーカス」の常連でありデザイナーでした。フィルムで写真を撮ってこちらで現像してもらいたいなあ、と旅の最中や帰ってからも思っていたのですけど、2019年5月に閉店されたそうで残念です。
すぐ近くなので寄っておこう、眼鏡橋。
そして都市景観賞を授賞された事もある賑橋パーキングセンター。窓の形やレンガの詰み方がかっこいい。
さて「長崎県美術館」へ。旅のきっかけとなった”1∞ ミナカケルーミナ ペルホネンの今までとこれから”展、チケットを買って展示を見に行きます。
20年分の作品が一望できて、国内最大規模の展覧会。
会場内は撮影が自由(フラッシュは禁止)、あちこちをすべて収めたい気持ちでいっぱいでしたが、目で見るのをメインに、他のお客さんが写らない場所をささっと思い出に撮りました。10のセクションに分かれており、空いている場所から足を運んであちこち行き来していたので順番が入れ替わっている部分もありますが、画像をメインに残しておきます。
まずは<1.MINA PERHONEN>。
壁に飾られている椅子や傘や。上からながめている気分になります。
床にもテキスタイル。
wood bird、tambourineの上で撮影。


次は<2.FASHION>へ。
ミナの洋服がずらり。手は触れられないのでそっとながめる。
そして<3.PROCESS>へ。
egg bagがたまご型にディスプレイされています。
PROCESSのセクションを見るのに一番時間をかけました。アトリエで使われている道具やスケッチ、そして初期の頃に買ったブローチなども並べられていたり。
このブースには貴重な洋服も展示されているのです。
皆川さんがminaを立ち上げる前、フィンランドのロヴァニエミで出会って衝動買いしたというパッチワークで作られたようなコート。この洋服と出会わなかったら今のminaはなかった、というくらいの大きなインスピレーションを与えられたものだそう。
<4.MAKING> ではpiece,にある商品が作られているような部屋で、こちらもゆっくりと滞在しました。人気でお客さんが多く、一枚も撮らずに見入ったのみ。

<5.TEXTILE>、テキスタイルの森へ。
ところどころに鳥小屋や中を覗ける穴が開いていたり。
次は<6.PRODUCTS>。テキスタイルの原画や様々なプロダクトが展示されています。
tori bag、いつか欲しいと思っていた頃がありました。
青森県立美術館の制服とスカイツリーの制服や、様々なカップ。
原画を見ると改めて好きになるテキスタイルが増えました。水彩の濃淡など原画でないと伝わらない良さを堪能するセクション。
<7.EVERYDAYS>では壁三面に製作現場の映像が見られます。
<8.LIVING>ではソファや椅子に自由に座れます。onomekamanが座ってる。
広い部屋に大きな窓、天井に広がるテキスタイル、夢のようなスペース。洋服やテレビなど触れてはいけないものもありますが、本を読んだりしてくつろぎました。
夕方近くなると天井がライトアップされます。窓からは港や出島の風景を眺められたり、遠方から来た者には別の楽しみ方も。
<9.IMAGINE>では子供さんも楽しめるスペース。壁の穴をくぐり抜ける事もできますね。ミナの端切れで作られたぬいぐるみがたくさん飾られています。
最後、<10.MINAKAKERU>の壁面には皆川さんが描かれたトリのイラスト。
そして全長9mの経糸共通で織りつないだ歴代のテキスタイル。
ものを生み出す人、もの、ことの掛け合わせの連鎖を”1の無限乗”であらわした”1∞ ミナカケル”、見応えがたっぷりとある展示でした。春の青山のスパイラルガーデンで開催された時には行けなかったけれど、秋の長崎で楽しめてよかったです。
持参していたトートバッグはスパイラルでの展示の際に夫が代わりに行き(出張のついで)、おみやげに買って来てくれたもの。
今回買ったもの、まずは展覧会の図録。タイミング良くこの日が発売日。
念のために旅の前に予約をしておき、会場で受け取りました。
サイズ違いの用紙が綴じられている装丁、展覧会に行っていない人も行ったような気持ちになる図録。アートディレクションは菊地敦己さん。

散財を控える旅だけど、やはり来た記念に何か欲しいという事で展示の限定ショップでグッズ売り場をチェック。美術館のショップでもミナのグッズを扱っていて危険。
使えるものがいいかなあとbirdの靴下を、そしておみやげにhot pit(ワッペンシール)を買いました。

美術館を出て歩きます。
気になっていたお店に行こうと地図を見ながらたどり着いたら古くかっこいいビルの中にあるようです(向かいには出島和蘭商館跡が)。
二階にあるセレクトショップの「List:」、tamaki niimeさんの冬ショール展をされているのは「List:」のギャラリースペース「PUBLICO」。
素敵なものを見せてもらった後は路面電車に乗ってホテル方面に移動。喫茶休憩をしようと向かったお店は長崎県造船組合のビルの一階にあります。
古道具と喫茶のお店「デモッソ・ノット・キーノ」、「からすみ茶屋なつくら」の坂本さんから教わったので絶対にいいお店。
コーヒーとチーズケーキをいただきながら購入した図録を見たりしてまったり。お店の方と話し、長崎まで飛行機でなく新幹線とかもめで来たと言ったら驚かれました。
余韻に浸りながらお店を出てすぐのところに猫が。
「デモッソ・ノット・キーノ」は2020年2月16日に一旦閉店、移転して古道具のお店をされているそう。
歩いて10分ほどでホテルがある長崎駅に到着。街をながめながらいい散歩になりました。かもめ広場に設置された高さ14mのクリスマスツリー。
一旦部屋に戻って図録など買ったものを仕舞い込み、しばらく休憩。長崎で流れているニュースなどを見たりする時間も。
19時、再び外出。夜の路面電車。
夕飯を食べに出かけたり、夜の長崎をうろうろとしようかと考えていました。が、なんだか咳がひどくなっている?
一口餃子が有名な「宝雲亭本店」へ。店内はそれほど広くなく、一人客だし厨房がすぐのカウンターに通されました(カウンターは四席)。そうすると隣に座っている常連の男性が話しかけてきて、お店の方も一緒に話しながら食べる事になり。一人で来てビールと餃子を食べているから不思議に思われた様子、話して関西の人間とわかったみたい。で、今日はどこに行ったかとか聞かれたりして話しました。
その後、その常連の方からこの後にどこどこに行こう、明日はどこにいるのか云々という話になり(仕事の合間に案内してくれるという)、初めて会った異性とうろうろとするだなんて考えられなかったので、気管支炎の症状が出かけているから(ウソではない)ホテルに戻る事や、明日の予定は未定だという事を伝えて店を出ました。酔っぱらってらっしゃるから一回言っただけでは聞いてもらえず大変でした…。
あ、餃子はとてもおいしかったです。マイペースに過ごせていたら追加注文していました。
餃子の追加どころか、餃子以外も頼むつもりだったのを諦めて店を出てしまったのですぐ近くの「かにや本店」へ。咳が気になっていたので夜の長崎は諦めてホテルに戻っておにぎりを食べる事にしました。
注文をしてにぎってもらっている間、温かいお茶を出してくださりました。おにぎり以外にも一品料理が多くて飲み屋使いできる店、また改めて来たい。
おにぎりを受け取り、路面電車に乗って帰ります。歩いていると咳が出てなかなか止まらない。一刻も早く部屋で落ち着きたい気持ちでいっぱい。普段から気管支炎がひどくなる事はあるのですけど、旅と重なる事があまり無いのでただただショック。
部屋でテレビを見ながらいただきます。咳は出るけど食欲はあるのです。きゃらぶき、しその実、たらこの三つ。
札幌の旅に続きおにぎりをよく食べていますね。
窓からの景色をながめつつ明日の計画をおおまかに立て、早めにシャワーを浴びて休もうとしました。
でも…咳が出る時って横になるとひどくなる。眠りたいけど眠れない。夜中にさらに咳がひどくなる。苦しい、眠れない、つらい夜でした。
(2020.6.25 更新)

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