2018.3.19 姫路

姫路の街をゆっくりと楽しんだのは二年前。「手柄ポート」の回転展望レストランが閉店するという噂は何年も前から出ていたのですが、ついにこの年の3/25に閉店が決まり、もう一度行っておく事にしました。
前回に行けなかった場所や食べられなかったものも食べたりしていい一日になりました。

3/19(月)。10:15発の新快速に乗車します。遠いようで近いのでゆっくりスタート。
今回も明石大橋が見える時間帯は眠らずに外をながめていました。
今回もマンホールを。姫路市の花の”サギソウ”です。
駅前にずらりと力士の幟が。この翌月、4/5に「大相撲姫路場所」が開催されるとの事で幟だけでなくポスターも見かけました。
昼食を食べようとお店に向かっている途中にいい顔のだるま。「一成 だるまや」というおでん屋さんでした。
昼食はこちら「とんかつ いわしろ」へ。開店時間前に到着したけれど、すでに並んでいる方達が。私たちもその列に加わり、開店と同時に入店できました。
入ったお客の注文を一度に聞き、順に作るのでなく同じものを一度に作るやり方でした(この時だけ?)。
完成間近なのか、ご飯が盛られてスタンバイ。揚げている香りにお腹が鳴ってしまう。
”三角物語定食”というメニューが有名なようですが、他に”失恋物語定食”、”乙女物語定食”、”青春物語定食”、”嫁VS姑物語定食”、”お祭物語定食”、”初恋物語定食”など名前が気になるものが多々あって通いたくなります。
私は”乙女”を頼んでおり、私以外が”三角”を頼んでいたのが少々不安になっていたのですが、予感が的中、私のところにも”三角”が。どうせなら夫と違うものを頼みたかっただけで問題無しです。”三角”はエビフライ、とんかつ、チキンカツのミックス玉子とじ。”乙女”は玉子とじ、チキンカツ、ささみ天ぷらという内容でした。
食後に手柄山方面へ。
船場川に掛かる橋にある彫刻がかわいい。後で調べたら高橋忠雄さんによるものでした。姫路市内に67点の彫刻作品が飾られているらしい。
前方に見えてくる「手柄ポート」。私が生まれる前に開催された”姫路博覧会”のテーマ館の一つとして建てられました。たまに小雨が降る中を見納め。
建物に近付いた時に前回との違いを感じたのは賑わっているとわかった事。お客さんの声が下にいながらも聞こえてきます。エレベーターであがると並んでいる人たちが!
階段にずらりと列ができており、最後尾に並びました。
ショーケースに貼られているのは子供たちから”おつかれさまでした”、”ありがとうございました”という手紙。
ようやく席が空き、ゆっくりな回転を感じながら景色を見たり、店内をながめたりしながら注文を聞きに来てもらうのを待ちました。とにかくお忙しそう。
メニューはかなり縮小されており、時間をかけずに出せるものが中心となっているようでした。ビーフカレーに興味があるけれど、”三角物語定食”が効いているので無理。
頼んだのは私はカフェオレ、夫はホットコーヒー。そしてプリンパフェを分けました。あちこちにプリンホットケーキが運ばれています。二年前に私たちがいただいたのはフルーツホットケーキだったなあと思い出しました。
最後に楽しんだ回転を動画で少し。
建物の取り壊しは無いようなのでひと安心。簡単に行ける場所ではないので見に行ったりはできないけれど、ここに残っているというのがうれしいです。
今回の席は”1”番でした。
3/25で閉店する事とご挨拶が思い出の写真とともに掲示されています。
52年間のうちにもっと来たかったなあ!
会計後に階段で降り(帰る頃にもまだ並ばれている方々がおられました)、降りた場所の写真を数枚撮って、いただいたマッチとともに撮り納め。後で見直したらマッチがピンボケだった。
二年前に来た時にはもらっていなかったマッチ。
店名ともう片面には「手柄ポート」のシルエットのデザインです。会計時にマッチの事を尋ねてみてよかった!
帰り道はまた違うルートで。遠くに「手柄ポート」が見えています。
美術館と歴史博物館の案内板、角にデザインされているのはシラサギかな。
今回は神姫バスの1dayフリーきっぷを購入しており、バスでの移動が多めです。バスの形のきっぷで、開くとフリー区間の運行系統図や観光スポットの紹介も。
姫路駅で一旦下車して乗り換え、次は「あずきミュージアム」へ。前回は到着が遅かったために入館時間が終わっていてリベンジ。入館証を首に掛けて入ります。
”身近なあずき食品”としておいしそうな写真が出迎えてくれました。
「御座候」で使っている小豆は北海道十勝産のエリモショウズ。
地域別の小豆や、種類によって大きさがまったく違う小豆がずらり。夏から秋の気温が高い時期には色が濃く、涼しい時期には薄くなる傾向があるのだとか。
小豆だけでなく、豆科の植物の一覧も。豆好きな者としては食べたくなる写真。大豆以外はほとんどがアジアで栽培。
ここからはタイムトンネル。
地球誕生の46億年前から生命が生まれ、進化しながら農耕で食料を作るようになったのは1万年前。
エリモショウズの10倍サイズで再現。
二階にはミャオ族の蘆笙柱が見える部屋が。柱の鳥が太陽を呼び、水牛と龍が雨をもたらすとされたご神木。
”赤の世界”コーナー。昔の人達には赤い色は特別。
人生の節目や年中行事に小豆が使われる事が多いのは、その赤色を神聖なものとして大切に扱って来た人々の思いを引き継いでいるのですね。
小豆の選別・製餡工程のコーナー。餡作りの仕組みや流れを知る事ができます。
記念撮影スポットが。
御座候を焼く職人になれる顔ハメパネルがあったのでそれぞれ記念撮影をしました。
微妙にずれているけれど楽しい思い出。
コミュニケーション広場へ。
小豆の万華鏡?これがけっこうきれいで長く見入ってしまいました。
”のぞいて見よう!あずきの不思議”。小豆型の模型の中をのぞいて勉強をします。
もうひとつはパカッと開くと断面図が。
小豆ができあがるまでの工程がすごろくになっていたり、御座候の15ゲームがあったり。お子様連れでも楽しめるコーナー。
”あずき落としゲーム”と”あずきおかたづけゲーム”。こういうの、できるまで意地になってやってしまうからなるべくやらない。
”あずき食 今日の運勢”、”あずき・てぼう(手亡豆、白の粒餡の品種) 恋占い”、”こどもおみくじ”。”あずき食 今日の運勢”をやってみたら…『おはぎ・ぼた餅 掃除でリフレッシュ!気分転換してやる気満々。』だそう。
壁面には”世界のあずき食”、”日本のあずき食 いま・むかし”、”あずきの栄養”などをイラストで勉強できます。和菓子はもともと好きだし、日常では玄米と一緒に炊いて食べたりもしているけれど、これを見ているともっと小豆を取り入れたくなりました。
レストランをちらっと覗く。”あったか白玉”や”ゆであずき”などもおいしそうだけど、数量限定の”あずき御膳”がおいしそう。今度はこちらを目当てに来よう。
あずきちゃん達との記念撮影スポット。”あずきちゃんはきゃしゃなのでやさしく接してあげて下さい”との事。オレンジの豆は豆太郎、黄色の豆は豆次郎。
ミュージアムを後にし、池のながめながら工場ショップに移動します。
御座候の焼き型がディスプレイされている壁面。
こちらでも食事ができるのです。ジャンボ餃子、担々麺、肉まん…食べてみたい。
でもやはりここは焼き立ての御座候を。赤と白を半分ずつ分けて食べました。照葉樹の木々に囲まれての休憩。この後にはまだ行くところがあるのでバスの時間に合わせて動きます。
「あずきミュージアム」のフライヤーと展示ガイド、週末に開催される小豆博士のガイドツアーや、館内で上映されているジオラマ映像とシアター映像の案内。
ミュージアムショップで買ったものは小豆手ぬぐい(御座候手ぬぐいというのもあり、そちらは黄色っぽいつぶつぶ)、御座候マグネットの赤、アズキ亜属のポストカード。
前回に御座候マグネットの白を買ったので、赤と白が揃いました。
レシートにも小豆マークと御座候ロゴ。
バスで姫路駅に移動し、大阪に戻るまでの時間は姫路の街を楽しみます。予約が必要な乗車券を使わないから状況次第で早めたりゆっくりしたりが気楽。ちょうどいい距離で旅気分を味わえます。
神吉七段の「大逆転将棋倶楽部」が。この二日後に開店されたそう(現在は市民会館近くに移転された様子)。
そして前回も見入ったレコード「ミヤコ」。
表には年季の入ったニッパーくん。前回に見た時との画像を見比べてみたらディスプレイがけっこう変更されていました(五木ひろしさんと天童よしみさんのキーホルダーの位置とか、サインが目立っていたりとか)。
販売されているニッパーくんグッズ。だいたい昭和30年代あたりのものが並んでいました。
夕飯前の喫茶は「茶房 大陸本店」。前回購入した”姫路おでんケーキ”の「大陸」と同じ系列で、喫茶店は昭和22年に、洋菓子の製造は昭和40年頃から始められたそう。
姫路の喫茶店ではどこにでもあるアーモンドトーストをコーヒーとともにいただきました。厚切りのパンにアーモンドバターが塗ってトーストされています。
戦後の姫路の街に最初にできた喫茶店。店内の美術品は先代のコレクション。
名物”焼きミートスパ”も次に訪れた際にはいただいてみたいです。
スーパーの「ボンマルシェ大手前店」に寄り、「寿屋」のぶどうパンと小倉ぶどうパンを購入。ぶどうパンは以前に大阪で買った事があるのですけど、また食べたいなあと思っていたら姫路のものだと知ったのです。昭和35年に生まれ、姫路市民の大好物だとテレビで紹介されていました。
オーソドックスなマーガリンが挟まったぶどうぱんを始め、アーモンドクリーム、小倉サンド、シナモン林檎、メープル、カスタード、ヨーグルト、イチゴロールなどの種類があるそう。
姫路城に向かって歩いていたけれど、アーケードを抜けたあたりから雨が強くなって来て予定変更で離れた場所からの見学のみ。すぐ近くの「イーグレひめじ」という建物から姫路城を見る事ができるようだったのでトイレを借りがてらこちらからもながめました。
「イーグレひめじ」からすぐの大手前第一ビル内にチェックしていた喫茶店があったので外観だけでも見ておこうと店がある地下に入ってみます。
「リヨン」、店が開いていたら入ったけれど既に閉店時間を過ぎており。そして数年の間で閉められたかも?という情報もありました。本当ならば残念です。
バス移動。今回も撮ってしまう「船場ランドリー」のあらいぐま。
向かった先は大衆食堂「かどや」。やはり夕飯はこちらに来たかったのです。
小上がり席にあるテレビでは大相撲の中継が流れており、店のおじさんや常連さんが見ている光景は前に来た時と同じで嬉しくなります。
まずは熱燗をいただきながら玉子焼き、ハンバーグ、まぐろの刺身、おでんは厚揚げとじゃがいもと玉子を生姜醤油で。二度目だからかあまり緊張しておらず、前よりもたくさん食べられます。お酒のアテに追加でししとうを焼いたのをもらいました。
そしてご飯の小サイズと粕汁で〆ます。お茶が入ったやかんごと置いて下さりました。時間が許されるならまだまだ飲んだり食べたりしていたかもしれません。
バスで移動をし、駅まで散歩。途中で遭遇した「プロ酒場」。”プロ”という文字が気になって撮ってしまったけれど、プロレタリアート(労働者)を略した”プロ”でした。
消火栓の白鷺。後で確認をしたら前に撮ったのと同じ場所でした。
楽しかった姫路の一日散歩。閉店する「手柄ポート」を除いて、同じ場所をまわっても楽しめるのではないかと思うほどどこも気に入り、何なら一泊して他の気になっている店にも行きたいと思っているほどです。
行きと違う景色が見たくて前回は山陽電鉄本線で帰ってみたけれど今回はおとなしく帰りもJRの新快速で。
お腹に空きがあれば行きたかったホームにある「えきそば」は次回こそ。この三ヶ月後には阪神百貨店のスナックパークにオープンしたけれど、やはり駅で食べたい。”そば”だけど蕎麦でなく、中華麺というのも良いのです。
車窓から見える「揖保乃糸」のネオン。
2016年、2018年と二年に一回ペースで姫路に行くのかと思いきや、2020年はコロナウイルスが流行り始めて出かけづらくなり、この時以来行けていません。近場で好物の御座候を買うたびに「あずきミュージアム」を思い出しています。
(2021.8.9 更新)

petit voyage topへ